【日記】久高オデッセイ

    沖縄本島のすぐ隣に「久高島」という島があります。
    古くからの祭祀や芸能が今も残る、祈りと神話に満ちた島です。

    その久高島を約13年に渡って撮影/編集した「久高オデッセイ」という三部作ドキュメンタリー映画の完結編である『久高オデッセイ 第三部 風章』の久高島以外では最初の上映会がありました。

    監督である大重潤一郎氏は、この久高オデッセイ三部作の制作の途中で病に倒れ半身不随になり、さらにガンも見つかり、17回の手術を経て、昨年末には医師から余命1年を宣告されました。ここ数ヶ月はベッドから起き上がることもできない状態です。
    そんな中で、文字通り命をかけて完成させた3作品の最終作です。
    ここに至るまでの苦労、努力は並大抵のものではなかったはずです。

    ぼくはずっと大重監督の映画の東京での上映会をお手伝いさせていただいていて、沖縄在住の監督と会ったことは数回しかないのですが、それでも、氏の映画に対するひたむきな情熱、地球に対する真剣な態度、命あるものへの深い眼差しは、ビリビリと感じることができます。

    昨日の上映会は、超満員の300人以上の方が訪れ、熱気溢れる中での開催となり、大盛況のうちに終えることができました。

    当日のぼくの役割は裏方中の裏方といった感じで、お客さんと接することのない、音声や映像の制御室にこもりっきりの仕事でした。終始、映画の内容でなく音声や映像を気にしていたので映画の内容自体はほとんど頭に入っていません。ですが、断片的に観た映像の感じからも、そしてお客さんの反応などからも、この『久高オデッセイ 第三部 風章』の完成度の高さは間違いないと感じています。命をかけた、まさに「祈り」のような映画だと思います。
    1人でも多くの方にこの、一部と二部も含めた『久高オデッセイ」を観てほしいし、ぼくもこれからも少しでもそのために手伝えることをしていきたいと思っています。

    映画は、製作から上映まで、監督一人の力でできるものではなく、たくさんのスタッフの力によって作られていきます。
    打ち上げ会場では、今回の映画制作に関った若いスタッフ同士の婚約の報告もありました。また、何人もの人が大重監督の意思を継ごうと動き始めています。

    仮に監督の肉体がなくなったとしても、生命は、そして祈りは、こうして巡り、受け継がれていくのでしょう。

    2015.7.7

    ●LINK
    沖縄映像文化研究所/大重潤一郎 facebookページ
    https://www.facebook.com/okieikenooshige